60. 脱獄囚
長いトンネルの 出口附近で
また事故だとよ 大惨事だとよ
叱られたいかのように拗ねては
愛すべきものさえ遠ざけて来た俺
何度 痛い目に遭えばいい?
生きていたくなくなるまで?
引き裂いてしまえた仲
死んでも直りそうにない
お前をバカと呼ぼう
波立つぐらい 潤ってた日々
低空飛行で 最果ての地へ
自分自身を卑しめ過ぎては
愛すべきものほど遠ざけて行く俺
何度 痛い目に遭えばいい?
生きていたくなくなるまで?
渦巻いていやがるのは
被害者意識だけ
お前はマゾなのか?
裸眼で歩くネオン街
ふとぶつかる肩と肩
解らせようとしてばかりで
解ろうとなどしちゃいないんだ
なぁ、そうだろう?
何度 痛い目に遭えばいい?
生きていたくなくなるまで?
せいぜい孤独を気取り
同情を乞い続けろ
どんな病名が付くやら
誕生:2006
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59. 不発弾
今 屋上から見下ろした地面は
グロテスクな僕を受け止めたがってる
急行列車が通過する音の中
流れ落ちる真っ赤なそれが描く円
何もかも愛せやしない
何ひとつ愛せないんじゃない
様々な時があり 様々な面がある
同じ物でも
あまりの寒さに足早になる帰路
ポケットに両手を入れたまま滑った
縫い合わされた傷はムカデのよう
生き延びて良かったのか 本当に僕は
何もかも愛せやしない
何ひとつ愛せないんじゃない
こんな僕にでもできる
こんな僕だからできることをしなくちゃ
死ねる日なら来る
死ねる日なら来る
誕生:2006
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58. 延長戦
曇り空の下 生乾きの服
放たれる臭み 歪まされる顔
蒸し返すように 次 次
押し倒すように 次 次
楽になりたいんだ
泣くことしかできなきゃ
泣けばいい
楽になりたいんだ
泣くことができるなら
泣けばいい
クシャクシャにすれば 丸まるだろうに
ビリビリと破き 散らしてばかりさ
巻き起こるように 次 次
沸き上がるように 次 次
動いてしまえるんだ
眠っている時でさえ その体
動いてしまえるんだ
止まっている時でさえ その心
楽になりたいんだ
泣くことしかできなきゃ
泣けばいい
楽になりたいんだ
泣くことができるなら
泣けばいい
誕生:2006
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57. 純然たる邪念
平穏な日々だ 不気味なほど
心身ともに いたって元気で
ただ 面倒な奴を相手に
忙しい振りしてんだけ
そこに張り付いて どうすると言うのか
それを突き止めて どうなると言うのか
咲き乱れよ 情念の花
覆い尽くすがいい
敗北も 反則さえも
散り行く上で
単なる欲が 愛だと名乗り
消え入るのを 躊躇してるが
酔い潰れ 泣き疲れ
睡魔に襲われたがってんだ
誰に招かれた? 小汚い街へさ
何を当てにした? 薄暗い部屋でさ
咲き乱れよ 情念の花
飾り立てるがいい
錯覚も 憶測さえも
散り行く上で
散り行く上で
誕生:2005
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56. ノラ猫の舌
汚い所は 汚しても大丈夫
そんな気にさせて 洗われずにいる
どうして呼んだの?
どうして抱けたの?
怯えた目は 怪しむ目に
見たくない
もう、この上など有り得ないもの
落ちずにいたいから 自ら降りる
嬉し過ぎたんだ
ヒビ割れた皿に 盛られて行く料理
食べ尽くされぬよう まずくしてあったっけ
独り密やかに 最期を迎えたい
戯れつく手は 損なう手に
触れない
ねぇ、君には相応しくないでしょ
試してしまう その包容力を
噛みつくことで
見たくない
もう、この上など有り得ないもの
落ちずにいたいから 自ら降りる
触れない
ねぇ、君には相応しくないでしょ
遠く… 遠く… 遠く…
嬉し過ぎたんだ
誕生:2005
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